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~多重人格パートタイムラヴァー・ガール~

第93章 ドライバーでスカウトマンで⑩

ボクのドライバー業務は、まず出勤の女の子を自宅や駅まで迎えに行き、事務所に連れて来ることから始まった。

これだと道に迷うことなくスムーズにいけるからていうことだった。

そして、これは女の子たちとの顔合わせになるからとケンさんが言った。

ボクが入った時に「ラピスラズリ」には女の子の在籍が17人いた。

遠方の京都や和歌山辺りから来ている女の子や、他の仕事と掛け持ちでやっている女の子もいるとかで、月に2、3日しかいない女の子もいるらしい。

だから、なかなか会えない女の子もたくさんいたけど、1日5、6人の女の子を車に乗せることになった。

ボクが最初にぶつかった壁は女の子の顔と名前が覚えられないことだった。

じっと女の子たちの顔が見れない上に、流行りのメイク、流行りのファッション。
さらに名前も似ている。
カレン、レイカ、マナ、マアヤ、カナ、カンナ。

ただ、ボクなんかから見たら、みんな個性が強くて顔では覚え難かったけど接してみると態度や、性格の違いがはっきりしていて、ボクも少しずつ名前を覚えることができた。

数回顔を合わせても、挨拶以外は全く喋らず目を閉じて眠っているようなコもいた。

車に乗る前から降りるまで、携帯で話しているコもいた。

まるで子供のように、あーとか、よし、とか声に出しながらポータブルのゲーム機で遊んでいるコもいた。
そして、ボクより歳が下だったり、齢が近いコからは毎日のようにからかわれることになった。

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