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~多重人格パートタイムラヴァー・ガール~

第95章 ドライバーでスカウトマンで⑫

「……」

ボクは仕事の、特にサービスやプレイといわれることには全く何も答えられない。正直、彼女たちが、そこでどんなことをしているのかわからない。それを想像すらできなかった。

「お客さん、服脱いだら裸に体を縄で縛ってんねん。あれよ。キッコー縛りとかいうやつやないかな。テクいるヤツよ。でその上からワイシャツ着て、ネクタイしてスーツ着てたんよ。パンツはけよ!やろ?」

「凄いですね」

ボクはどう返したものかわからないくらい驚きながら言った。

「そうそう。そうやねん。イッチャンそれでいいねん。ウチらこういう話したら困るやろけど無視はせんといてよ。ウチらも一応女の子やねんから傷つくやん。」

カンナちゃんがちょっと寂しそうに言った。

「いえ、ボクはそういうつもりやないです。いつもお仕事のことはなんて言ったらいいかわからんので困ってるんです。でも、みんながボクなんかに話をして楽になってくれたらっては思ってるんですけどね」

ボクが少し慌てて、振り返って言うと

カンナちゃんは舌を出してベェーをしていた。

「ありがとうな。やっぱりイッチャンはいい男やわぁ。たまにドライバーさんでもいるんよ。さっきはどんなことしたんか?どんなことされたんか?ってやらしくきくヤツ。最悪やわ。一緒に仕事してる人にはそんな風に言われたくないねん。ボビーさんらは別やよ。もっとこうしたら、とか、ちゃんとしたアドバイスくれるからね」

「そうですね。ボクも気をつけます」

ボクはあんなに可愛いベェーは今まで見たことないな。と思いながら前を見てハンドルを握り車をだした」
「うん。イッチャンはいんよそのままで。うちらの仕事のことを、お仕事って言ってくれるやん。それでいいわ。そうやねん。エッチなことしても女の子やねん。少女マンガのエッチでいたいねん。オヤジのエロ本のエッチやないねん。上品ではいたいわ。わかる?」
「わかりません」

ボクがそう答えると、カンナちゃんはボクの頭をキャッキャッ笑って後ろからこついた。

この仕事も女の子も難しい。でも、ボクは女の子から色んなことを教えてもらっているようだった。

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