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私たちのエッチな体験談。短編集。

第2章 二人目。

ある日、春樹くんに連れられ春樹くんの家へ。

この日初めて春樹くんの家に入った。

春樹くんの部屋は綺麗に片付けられていた。

私はいまだに春樹くんに慣れてないみたいで…。

隣にいるだけでドキドキするのに…

部屋に二人っきり。

それに…春樹くんの部屋。

と思うとドキドキがドクンドクンと響きをかえた。

『これ、俺が好きな音楽なんだ。

伊織が好きなのはどんなのが好き?』

音楽をかけると春樹くんは私の隣に座った。

ーー近い。

私の心臓がもたない。

私は、心臓の音のうるささに耐えられず少しだけ距離を取った。

それに春樹くんは気付いていた。

私はただ恥ずかしいだけ。

恥ずかしくて、話しかけられても

『そうなんだ。』

『うん。』

と返事するので精一杯だった。

『ねぇ、伊織…俺のこと嫌いなの?』


『な、、、何で?』


『俺と話してても楽しくなさそうだし、こうやって距離置かれるし、


それに…』


そのあと春樹は黙る。


『それに…?』

私は思ってもないことを言われて泣きそうだった。

もしかして嫌われた?

別れるって言われる?


このきまづさに悪いことしか思い付かない。


『俺のことどう思ってる?』


(大好きだよ。)

頭の中では何回でも言える。

でも口にするのは勇気がなかった。


黙ってる私に春樹くんが抱きついてきた。

またあの切なそうな声で…

『伊織、別れようか…。』

私の頬に涙が伝った。

そして春樹くんの肩を濡らした。

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