
お兄ちゃんはいちご味
第11章 本心
そんなわけで結局3人で海岸へとやって来た。
なんかこの展開、デジャヴュな気がするんだけど…
「あれ?上着脱がないの?」
海に着くなり水着に着替えた麻くんが水着の上に白の薄手のパーカーを着ているあたしに問い掛けた
「うん…まだ着てる」
さっきまでの晴天はどこへやら、空には雨雲がかかっている
気温も急に下がってきたし…
「寒い?」
「ん、大丈夫!」
「そう?女の子は冷やしちゃだめだよ?」
「つーかお前が連れて来たんだろっ!」
お兄ちゃんがすかさずツッコミを入れる
「だってさっきまで暑かったし。なんなら山にする?」
「は?」
「え、山っ!?」
「うん。ほらあそこの裏山の奥にもすももの木がいっぱいあるし」
海岸からすぐ見えている大きな林を指差しながら言った
「そんなに険しくないから大丈夫だよ♪ねっ、そうしよ」
またもや麻くんの半分思いつきの提案であたしたちは裏山を散策することになった。
お兄ちゃんと麻くんも水着の上に上着を着て、ビーサンからスニーカーに穿き換える
お兄ちゃんは終始呆れた表情をしていたけど、なんだかんだ付いて来てくれた
