お兄ちゃんはいちご味
第12章 触れる体温
それ以上言わせない…!
「…ん…っ…」
お兄ちゃんの上にのしかかる体勢で、抵抗しようとするお兄ちゃんを力いっぱい押さえつける
「……いっ……」
唇を噛むと、甘く広がるいちご味
久しぶりの血の甘さに頭がクラクラする
お兄ちゃんの顔が痛みに歪んで抵抗する力が弱くなる
あぁ…結局あたしは、吸血鬼体質を利用するしかないんだ
自分の気持ちを押し付けて、無理矢理血を吸って
これじゃまるで残酷で冷酷な怪物…
麻くんの言う通りだ…
「……か、の……もうやめっ……」
「やだ。やめない。お兄ちゃんが好きって言ってくれるまで絶対やめない」
あたしは半分ヤケになりつつ首筋を噛んだ。
このまま一生妹のままなら、
一生お兄ちゃんに好きと言ってもらえないなら
この牙で、無理矢理にでもあたしの虜になればいい…
あたしなしじゃ生きられなくなるぐらい、快楽に溺れてしまえばいい…