お兄ちゃんはいちご味
第2章 いちご味
あたしは、中途半端に喉が乾いたまま、次の日を迎えた
パパはぐっすり寝てる。
お兄ちゃんと顔を合わせないように、早めに家を出る…
「ちょ、ちょっと果乃!!」
学校に着いてあたしを見つけるなり、美子が飛びついてきた
「昨日の昼休み、屋上で工藤先輩とキスしてたって本当!?」
「え、き、きす……!?」
「っていう目撃情報が!ってゆうか噂?昨日昼休みに図書館に本返しに行くとか言ってたの、そういうことだったの?」
「ち、ちょっと……キス!?してないよキスなんて…!…あたしは…えっと…工藤先輩の忘れ物を届けただけ!」
「な〜んだ、だよね〜!中等部の頃、あんだけ嫌ってた工藤先輩とキスなんてやっぱありえないよねー!ww」
美子はやっぱりー!的な笑顔をしてみせた。
「それに、果乃には捺くんがいるんだもんね☆」
そう言ってウインクをしてみせる美子。
まったく、美子は切り替えがはやいっていうか…
くらっ…
視界が一瞬歪んだ。
…あ、まただ……
この眩暈…
やばい、ここにいたら…
「美子、ごめん…具合悪いから保健室行くね。先生にゆっといてくれる…?」
「ちょ、大丈夫?」
「うん、一人で行ける…」