お兄ちゃんはいちご味
第13章 麻くんとあたし
"お前、もう俺の血吸うのやめろよ…"
あたしの頭の中はお兄ちゃんのことでいっぱいだった。
何度も何度もお兄ちゃんの甘くて熱い舌の感触を思い出しては、熱くなる顔を両手で覆った。
何思い出してんの、あたしのバカ…!
それと同時に思い出すのは、お兄ちゃんの悲しそうな顔
なんであんな…傷付いたみたいな顔したの…?
あたしはただの妹なんでしょ…?
お兄ちゃんが、わからない…
「…具合どう?」
「ふぇっ!?」
突然後ろから声を掛けられ、大袈裟な反応をしてしまった
「クスクス…ごめんね、びっくりした?」
そこにいたのは、無邪気に笑顔を浮かべる麻くんだった
「脚、まだ痛む?」
「うん…でも昨日よりはマシだよ。全然平気!」
「ならよかった」
ぎゅうぅ
「…いっ!!」
麻くんは笑顔でそう言いながらあたしの足首を掴んだ。
ズキズキとした痛みが走る。
「なんだ、まだ重症みたいだね」
「…えっ?」
「ふふっ、ごめん。痛かった?」
相変わらず麻くんの行動が読めない
麻くんはお兄ちゃん以上に、何考えてんのか全然わかんない…