お兄ちゃんはいちご味
第13章 麻くんとあたし
「果乃ちゃんが捺くんを異性として愛してるなんて知ったら…宋介おじさんも悲しむよね…」
麻くんはクスクスと怪しい笑みを浮かべて言った。
パパが傷つくことなんて百も承知だ…
ううん、実際はそんなこと本気で考えたことなんかない…
ただ、大好きなお兄ちゃんと、大好きなパパ…
ずっとずっと一緒にいられたらいいのにって、そんな自分勝手なことをずっと思ってた。
小さい頃からずっと…
そんなこと、叶うわけないのに…
「俺ならずっと一緒にいてあげる…
誰も傷付かない、みんな幸せになれるんだよ…?」
麻くんの長い睫毛がかかりそうなくらい顔が近い
麻くん、本当に変わった…
違う、全然変わってない…
ただ大人になったんだ…
目の前にいる麻くんは、あたしの知ってる麻くんじゃなかった
ちっちゃくて可愛くて、まるで弟みたいだった麻くんとは違う…
そう思ったら、あたしの胸は急にドキドキと音をたてた