お兄ちゃんはいちご味
第13章 麻くんとあたし
そして夏休みは終わり、今日から新学期――
「捺くーん!!はやく起きないと遅刻するよー!!」
麻からパパの大きな声が響いていた。
お兄ちゃんは初日から寝坊。
ほんとに低血圧なんだから…
「パパ、行ってきまーすっ」
「…あれ、捺くんと一緒に行かなくていいの?」
「あ、うん…初日から遅刻したくないし」
「果乃ちゃんえらい!いってらっしゃい♪」
なんとなく、お兄ちゃんと登校するのが気まずい
あたしは一人で学校に向かった。
「果乃っ!おっはよ〜!久しぶり〜!!」
教室に入ると美子が満面の笑みを浮かべて駆け寄ってきた
「おはよっ。あれ?美子今日髪かわいいね?」
美子は巻いた茶色のロングヘアを編み込みしている。明らかに気合いが感じられる今日の美子
「えへっ♪だって転校生が超絶イケメンだったらどうする〜?」
「え、転校生?」
「果乃聞いてないの?今日隣のクラスに転校生来るんだって!しかも男子!」
「へぇ…」
「なにそれ反応うすっ!!ほんと果乃は捺くん意外の男子眼中にないよね〜」
「べ、別にそんなことないしっ…」
「まあまあ♪後で転校生くん見に行こーよ♪」
「えー、あたしはいいよ…」
「まったくこれだからブラコンは〜。いいよっ、一人で見に行くもんね〜」
転校生なんて正直どうでもいい。
お兄ちゃん意外、眼中にないのは事実
美子のおっしゃる通りだ…