お兄ちゃんはいちご味
第13章 麻くんとあたし
「俺のお昼ごはんになってよ、果乃ちゃん」
麻くんはとびきりの笑顔を浮かべて言った。
「ね、いいでしょ?」
「…む、無理無理っ!それは無理っ…!」
「なんで?」
「だ、だってあたしの血は吸血鬼体質の血だし、吸ったら麻くんの寿命が縮まっちゃうよ…!!」
「そんなの気にしないって言ったじゃん」
「…麻くんが良くても駄目なのっ…!」
そのまま逃げようとすると、麻くんは壁に手をついてあたしの逃げ場をなくした。
一気に麻くんとの距離が縮まる
「へぇ、俺のこと心配してくれるんだ?」
「そりゃそうだよっ…あたしのせいで麻くんの寿命が短くなるなんて…そんなの…」
「責任感じる?」
「…そうじゃなくて、だって麻くんは、幼なじみだから…」
なんで麻くんは平気であたしの血を吸おうとするのかわからない
寿命って、麻くんにとってはそんなに軽いもの?
「…ただの幼なじみの寿命なんか、気にしないでいいよ」
耳元に麻くんの息がかかる。
てゆうか麻くん、近いっ……