お兄ちゃんはいちご味
第13章 麻くんとあたし
「クスッ……なにその顔。もしかして意識してる?」
「…ち、違っ…」
「…この前もそんな顔してた。
ねぇ、ちゃんとこっち見てよ」
くいっと顎を持ち上げられ、すぐ目の前には麻くんの顔が…
「かわいい。その顔。」
「…なっ…」
じっと見つめられて思わず顔が熱くなる
「ねぇ、ちゃんと俺のこと見て」
赤く光る瞳――
麻くん、やっぱりおかしいよ…
またあたしの知らない麻くん
どうしてそんな冷たい笑顔するの…?
「…と、とにかく血はあげられないからっ…!」
「…はぁ、やっぱり駄目か。吸血鬼の眼が効かないって本当面倒だな…」
「そりゃ従兄弟同士なんだから効くはずないもん」
「…あれ、果乃ちゃん眼のこと知ってるんだ?」
「…パパから聞いた」
「なら眼の力使って適当に血吸えばいいのに、なんで我慢してるの?」
「…え…?」
「最近血吸ってないんでしょ?顔色悪いからバレバレ。」