お兄ちゃんはいちご味
第14章 噛み跡
「…なにその言い方…」
ゆりは少し拗ねたような顔で俺を見て、右手で俺の半袖シャツを掴んだ。
「お前が変なこと言うからだろ?」
「…別に…嫌だとは言ってないもん…」
「…え…?」
「捺がどういうつもりで家に呼んでくれたのかわかんないけど……あたしと…付き合ってくれるんだよね…?」
二人きりのリビングに沈黙が流れる
「ねぇ捺、キスしてよ」
ゆりは二人きりになると決まってキスを求めてくるんだ。
俺はゆりに引き寄せられるままにそっと唇に唇を重ねる――
「…ん…なつ……」
チュ…クチュ…
二人きりのリビングには吐息混じりの甘い声と舌が絡まる音だけが響いてる
「…っはぁ……」
ただただ、本能だけで求め合う。
夢中でキスをしながらソファに倒れ込み、ゆりの右手が俺のシャツのボタンを外していく
「…なにこれ…」
ふと、ゆりの手が止まった。
その視線の先は俺の首筋…
「この傷どうしたの…?こんなにいっぱい…」
「…っ…これは……」
無数の噛み跡をまじまじと見て険しい表情を浮かべる。
それもそのはず、俺の首から肩にかけてはまだ新しい治りかけの噛み跡が赤くくっきりと残っているのだから…