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お兄ちゃんはいちご味

第15章 中毒症状




なにこれ…どういうこと…?


まるで拒絶反応のような凄まじい吐き気と嫌悪感。


血が吸えないなんて…
今まで誰の血だって問題なく飲めてたのに…




"そろそろ限界なんじゃない?"




ふと、麻くんの言葉を思い出した。


そういえば、あの時麻くんがくれた薬…!


スカートのポケットをまさぐると、麻くんに貰った赤くて小さなカプセルがあった。




"辛くなったら、これ飲んで"




この薬を飲んだら、もしかしたら治まるのかも…!


ゴクンッ…

あたしは一気にカプセルを飲み込んだ。





しばらくすると不思議と吐き気は治まって、限界だった喉の乾きも、堪えられないくらいの吸血衝動も消えていた――



「う、うそ…なんで…?」



さっきまでずっと苦しかったのが嘘みたい。

麻くんは飲めばわかるって言ってたけど
この薬、ほんとにすごい…!


これがあれば、もう血なんか吸わなくても生きていけるかもしれない。


この体質から解放されれば、あたしはまた普通になれる


今までみたいに、お兄ちゃんの普通の妹になれる…!




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