お兄ちゃんはいちご味
第16章 取り引き
「ま、待って麻くんっ…こ、ここでっ…!?」
「なんで?」
「い、今…?」
「今。口直しさせて」
いつの間にか麻くんはあたしの上に四つん這いになっていて、全く離してくれる気配がない
「あと俺食事は落ち着いてしたいんだよね。だからちゃんとベッドの上じゃなきゃ嫌だから♪」
「なにそれっ…」
可愛い笑顔とは裏腹に、有無を言わせない口ぶり
抵抗しようとしても力が出ないあたしなんかお構いなしにシャツのボタンを外していく
「じっとしてて。とりあえず味見だけで我慢するから…すぐ終わるよ」
かぷっ
「んっ……」
チクリとした痛みが走って、全身の力が抜けていくのが分かった。
チゥ…チュ…チゥ…
「…っは……ぅ……」
なにこれ…
痛いのに、すごい熱くて…
なんか、変……
今まで味わったことのない感覚に、あたしは頭が真っ白になっていた。
チュル…ピチャ…
「…っはぁ…なにこれ…すげ…」
麻くんの息がかかる
熱い…
血を吸われるのって、こんな感じなんだ…
「ごめん俺…止まんないかも…」