お兄ちゃんはいちご味
第3章 キャラメル味
ツンデレって…………
あいつ、本気で蹴りやがった…
家に帰っても、ゆりに蹴られたところがまだじんじんしていた。
「おかえりー捺」
「ただいま」
父さんは今日も夜から仕事らしく、スーツに着替えていた。
父さんがスーツなんか着てると、小綺麗なホストみたいで気色悪い。
「…それで、血を吸われる感想はどうなの?なつくん♪」
「……はい?」
は?
父さん、俺と果乃のこと知って……
「パパが気付いてないとでも思った?」
嫌みなくらい爽やかな笑顔を向けてきた。
「捺が素直に食べられてあげるなんて意外だなあ。身内には吸血鬼の眼は効かないから結構痛いでしょ」
吸血鬼の眼…?
なにそれ?
てか、顔が近いんですけど…