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お兄ちゃんはいちご味

第4章 吸血レッスン




「ごめん、ごめんねお兄ちゃん!痛かったよねっ…」

「果乃…」

「ごめん…あたし…」




お兄ちゃんは真剣な表情であたしを見た



「……別に痛みなんか堪えれる…俺男だし…

でも、俺はあくまでお前の"食事"なんだろ?


キスなんか…するなよ……」



お兄ちゃんは哀しそうな表情であたしから目を逸らして言った



思ってもみなかった言葉に、あたしの思考回路はぐるぐると混乱する




「………なんで?」

「なんでじゃない。俺はお前のお兄ちゃんだろ?兄妹、だろ…?」

「…………っ」





その瞬間、あたしは気付いてしまったんだ


小さい頃から今までずっと、お兄ちゃんのことが当たり前のように大好きで…誰にもとられたくないと思ってた

でもそれは……妹として当たり前の感情なんだと、

あたしは単なるブラコンなんだっていう言葉で片付けてた



ううん、違う


ほんとは気付いてた。だけどずっとごまかしてたんだ。


気付かないフリをしていれば、ずっとお兄ちゃんの妹でいられるから………




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