お兄ちゃんはいちご味
第4章 吸血レッスン
あたしはそのまま家に帰ってきてしまった。
結局午後の授業、全部サボっちゃった…
あたしは自暴自棄にベッドに横になった。
――――――――――
…あれ……
あたし、寝ちゃってた…?
今何時だろ…
時計を見たら夜の9時を過ぎている。
眠気覚ましに顔を洗おうと洗面所に向かった。
ふと洗濯物カゴが目に入った
そこに無造作に入れてあるのは、所々血で赤黒く染まった、お兄ちゃんの制服のシャツ―――
ドキン――
お兄ちゃんはもう帰って来てるのかな…
一体どんな顔で会えばいいの…?
血に染まったシャツを見て、急に自分が怖くなった。
あたしが汚した。
お兄ちゃんの血で、あたしが…
お兄ちゃんを……
自分のした事が鮮明に思い出される
あんなに痛がっていたのに、あたしは無理矢理…
突然自分がいやしい怪物のように思えて怖くなった。
それでも痛みなんて堪えられると言ったお兄ちゃん
強がりなお兄ちゃん
でもそれは"お兄ちゃん"としての優しさなんだと、あたしはよく知っている
もう…
お兄ちゃんを傷付けたくない。
あたしはもう、お兄ちゃんの血は吸わない―――