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お兄ちゃんはいちご味

第8章 血の味




「捺どこ行ってたの?」

「別に」



教室に入るとスタンバっていたかのようにすかさずゆりが駆け寄ってきた

そして何の躊躇もなく俺の机の上に座る

まあいつものパターンだけど



「ちょっと…机に座んないでくれます?邪魔なんですけど」

「いいじゃん別にっ」

「重い」

「なに机の気持ち代弁してんのっ!しかも重くないしっ」

「あははっ」



冗談なのにムキになってるゆりがおかしくて、つい笑みがこぼれる



ゆりと付き合って3週間。気付けば夏休みはすぐ間近だ。


付き合ったからといって特に何も変わらず、ゆりとは今まで通りくだらない話をする毎日



「…てか、さっきまでほんとはどこ行ってたの?」



ゆりは真面目な顔で俺をじっと見つめる

嘘はつけない雰囲気…



「…妹に呼ばれてた」

「……ふぅん」



ゆりの顔色が変わる。

ゆりは前からやけに果乃の存在を気にしていた。

俺が果乃の名前を出すと決まってシスコンだの過保護だの言ってくる




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