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始まりは最悪から・・・

第2章 *私の家庭

「理零~、そろそろ行かないと間に合わないんじゃないの?」




お母さんは心配そうに時計を見ながら、トースターの中にある私の分のトーストを取り出して、テーブルの上に置いてくれた。




「ヤベっ、マジだ。茹愛、入学早々遅刻すんなよ。んじゃ、行ってきます」




「うっ、気をつける。行ってらっしゃい」




私はリビングから玄関に向かって行くお兄ちゃんの背中に向けて、手を振った。




その姿にはもうすっかり高校の制服が馴染んでいる。




今日から三年生になるんだし、当たり前か。




「お母さんも仕事いってくるから。茹愛も早く学校行くのよ。入学式行けなくて本当にごめんなさいね」




いつの間にかお母さんもスーツ姿に着替え仕事に向かう準備をしていた。

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