『幼なじみ』
第14章 予兆
「で・・・実は俺・・・
ここ数年は・・・
母親と色々あって・・・
金稼いだら・・・
家出ようと
思ってるんすけど・・・
キャッチの仕事・・・
自分に全く
向いてない
みたいで・・・
全然・・・
引越し資金すら
貯まらなくて・・・
今思えば・・・
ちょうど・・・
悩んでる時に・・・
良いタイミングで
喜多見さんから・・・
話もらった形に
なっちゃって・・・
こんな・・・
チマチマ稼いで
くすぶってんなら・・・
いっそ・・・
東京連合に
身売りでもして・・・
汚ない大金・・・
荒稼ぎして・・・
一旗・・・
上げてやるっしょッ!!
なーんて・・・
勢いで・・・
ふざけた考え
起こして・・・
でも・・・結局・・・
自分一人じゃ・・・
何も出来なくて・・・
ルイ君頼って・・・
大量の物(ブツ)
調達させて・・・
今に至る・・・。
そんな訳なんすよ・・・。
ハハハ・・・」
ルイ君に・・・
ひと思いに
経緯を話し・・・
一息ついた拓弥は・・・
人に・・・
胸の内を話す事で・・・
やっと・・・
自分を・・・
客観視出来たのか・・・
「俺・・・マジ・・・
甘いっすね・・・?
東京連合は・・・
俺みたいな
中途半端な人間が・・・
入って・・・
生きていける
ような・・・
そんな・・・
生易しい世界じゃ
ないっすよ・・・
ハハ・・・
ハハハハハ・・・」
と・・・
嘆き始めると・・・
暴走した挙げ句・・・
ズサンな夢物語に
浮かれていた・・・
自分の余りの
馬鹿さ加減に・・・
今更気付き・・・
泣きそうに
なりながらも・・・
切ない笑いが・・・
後から後から・・・
止まらなくなって
しまった・・・。