テキストサイズ

『幼なじみ』

第14章  予兆



自分の気持ちを
押し殺し・・・


ピエロのように
笑う事にも
疲れた拓弥は・・・


どしゃ降りで・・・
全く前が見えない
フロントガラスを・・・


暫くボーッと
眺めている・・・。


すると突然・・・


バリバリバリーーッと・・・


鋭利な落雷が
耳をつんざき・・・


頭を何かで・・・
殴られたかのような
凄まじい衝撃が・・・


一瞬にして・・・
拓弥を現実に
引き戻す・・・。


『実は・・・俺・・・


とんでもない事に・・・


足を・・・
踏み入れたんじゃ・・・
ねーの・・・?』


途端に我に返り・・・


じわりじわりと・・・
押し寄せて来る
見えない恐怖と・・・


気持ち悪い程の
激しい後悔の念に・・・


心を蝕まれ始めた
拓弥は・・・


精根尽き果て・・・
ハンドルに
頭をもたげ・・・


徐々に
小さく・・・
うずくまってしまう・・・。


そんな・・・
初めて見る・・・
拓弥の・・・


猛烈に
落ち込んだ姿に・・・


ずっと・・・
沈黙を貫いていた
ルイ君が・・・


励ますように
優しく声を掛ける・・・。


「拓弥・・・?
ずっと・・・
無理してたんだね・・・?


でも・・・
もう・・・


無理はしないでよ・・・
ね・・・?


今日が無事・・・
終わったら・・・


一緒に・・・
いっぱいスケボーしよ!」


何度も・・・
拓弥の背中を
擦りながら・・・


自分なりに精一杯・・・
愛情を込めて
励ましたルイ君は・・・


「大丈夫・・・
俺が付いてるから・・・。」


と・・・
しっかりした
口調で呟くと・・・


何かを・・・
覚悟したかのように・・・


凛とした・・・
力強い表情で
遠くを見つめた・・・。
















ストーリーメニュー

TOPTOPへ