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『幼なじみ』

第15章  絆



上空を覆っていた
グレーがかった雲が
切れて行き・・・


徐々に・・・
小雨になる中・・・


品川駅前を
通り過ぎた
目の前に・・・


御殿山ヒルズが
堂々と・・・
姿を現して来る・・・。


拓弥の家の
付近まで
来ていたが・・・


全く・・・
興奮冷めやらない
様子のルイ君は・・・


我を忘れ・・・
話しに
没頭したままだ・・・。


「でね・・・?


長い間・・・


凄く広い・・・
木造の一軒家に・・・
一人暮らししてる・・・


叔父さんも
淋しかった
みたいでね・・・?


【ルイ君・・・
良く来たね・・・!】
って・・・


俺のコト・・・
物凄く・・・
歓迎してくれてね・・・?


ダイニング
テーブルの椅子に
座った俺に・・・


オレンジジュース
出しながら・・・


【ルイ君・・・?
お母さんに・・・
会いたくないかい・・・?】


って・・・聞くんだ・・・!


【叔父さん・・・?!
もちろん・・・
会いたいけど・・・


そんな事・・・
出来るの・・・?!】


って・・・
興奮して
聞いたら・・・


部屋の奥から・・・


高さ・・・
五十センチ位の・・・
フラスコって・・・
いうか・・・


今まで・・・
見たこともない・・・


実験道具
みたいなモノ・・・
出して来てね・・・?


コップ一杯の水を・・・
その・・・
フラスコに注いで・・・


繋がってる
一本のガラス菅に・・・


煙草の
葉っぱらしきモノ
ギュウギュウ詰めて・・・


その葉っぱの
先端に・・・


ライターで
火を点けながら・・・


【ここを・・・
思いっきり
吸ってごらん・・・?】


って・・・
もう一本の
ガラス菅に・・・


口を・・・
充てるように
命令してきたんだ・・・!」


まさか・・・
会ってすぐの
叔父さんに・・・


本物のマリファナを
詰めた・・・
水パイプ
らしきものを・・・


吸わされそうに
なっている
ルイ君の話に・・・


拓弥は・・・
度肝を抜かれたが・・・


質問する隙を
与えず・・・
捲し立てるルイ君に・・・


話を止める気配は・・・
一向に無かった・・・。
















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