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『幼なじみ』

第15章  絆



漸く雨も止み・・・


水溜まりが
出来た道を・・・


拓弥の家に向かって
歩きながら・・・


お腹の空いた
二人は・・・


近くの裏通りに面した
コンビニに寄って行く・・・。


色々食べ物を
物色していると突然・・・


ルイ君が
拓弥に近付き・・・


小声で話し出す・・・。


「そいえば・・・


拓弥の質問に
ちゃんと答えて
なかったよね・・・?


拓弥に
頼まれた物(ブツ)
だけど・・・


実はね・・・?


さっきの
ジャンキー叔父さんが・・・


全部
調達してくれたんだぁ・・・


この
ジャンキー叔父さんね・・・


まだバリバリの
現役でね・・・


馴染みのヤクザから
いまだに薬物を
大量購入して・・・


毎日トリップしてて・・・
ククク・・・


だから上物が
手に入ったって訳ッ・・・!
ククク・・・」


いつしか
叔父さんの呼び名が・・・


【ジャンキー叔父さん】
に変わってしまった事に・・・


爆笑しそうになった
拓弥だったが・・・


此処は平静を装い・・・


「だから
こんな上物が
手に入るんすね・・・!


流石・・・
ルイ君の叔父さんッ!


今度また
お礼言っといて
下さいッ・・・!」


と・・・
誰にも
聞こえないよう・・・


ルイ君に
耳打ちする・・・。


そして・・・
おにぎりやら
サンドウイッチを
沢山買い込み・・・


コンビニを出た・・・


まさにその瞬間・・・


少し離れた
電信柱の後ろに・・・


暗がりで
何かをしているような・・・


怪しい人影が
視界に入る・・・。


拓弥は
無性に気になり・・・


「此処で・・・
待ってて下さいね・・・」


と・・・
静かに
ルイ君に告げると・・・


そっと
荷物を手渡し・・・


人影のある暗がりへ
足早に消えて行った・・・。












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