『幼なじみ』
第15章 絆
朦朧とする・・・
意識の中・・・
ルイ君に
道案内しながら・・・
何とか無事に・・・
家に辿り着く・・・。
鍵を開け・・・
そのまま・・・
抱え上げられながら
靴を脱ぎ・・・
おぼつかない足取りで・・・
廊下を・・・
ズルズルと進んで行く・・・。
そして・・・漸く・・・
真っ暗なリビングに
たどり着き・・・
テーブルの上に・・・
荷物を置いた手で・・・
蛍光灯にぶら下がる
紐を引っ張り・・・
電気を点けたルイ君が・・・
ゆっくりと・・・
椅子を引き・・・
自分を座らせてくれる・・・。
「お腹空いたね・・・
ご飯・・・食べよ・・・?」
先ほど・・・
何が起きたのか・・・
きっと自分を
心配させない為に・・・
拓弥は一切・・・
話しては
くれないだろう・・・と・・・
咄嗟に・・・
悟ったハズのルイ君は・・・
拓弥に・・・
早く元気になって
貰いたいとばかりに・・・
余計な詮索はせず・・・
ご飯を・・・
食べるようにだけ・・・
優しく・・・
勧めて来てくれる・・・。
「うん・・・
有難うっす・・・。」
袋から・・・
出してもらった
鮭おにぎりを・・・
ペットボトルのお茶で・・・
ゆっくりと
流し込みながら・・・
こんな自分を
気遣ってくれる
ルイ君の優しさに・・・
心奪われた拓弥は・・・
頭を下げ・・・
心の底から・・・
深く感謝した・・・。