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『幼なじみ』

第15章  絆



そして・・・


大人しく・・・
話に聞入って
くれている様子の
ルイ君に・・・


温かな眼差しを
向けた拓弥は・・・


記憶の断片を・・・
徐々に繋ぎ合わせ・・・


ゆっくりと口を開く・・・。


「この間・・・俺・・・


ルイ君家に・・・


遊びに行ったじゃ・・・
ないっすか・・・?


あの時・・・
実は・・・俺・・・


ルイ君の・・・
お母さんと・・・


会話したんすよ・・・」


すると・・・


「お母さんと・・・?!」
と・・・


驚きざまに
一言口にし・・・
目を丸くしたルイ君は・・・


完全に泣き止み・・・
固まったまま・・・


拓弥の顔を・・・
覗き込んで来る・・・。


「えっーと・・・


スゲー・・・
不思議なんすけど・・・


ルイ君が・・・


お母さんの部屋・・・
使って良いよ・・・って・・・
言ってくれた時・・・


何となく・・・
ルイ君は・・・


大好きな
お母さんが・・・
死んじゃって・・・


淋しくて・・・
クスリやって・・・


墨入れるコトで・・・


自分の・・・
気持ちのバランス
取ってんのかな・・・って・・・


そんな想いが・・・


急に俺の胸を・・・
過ったんすよ・・


今思うと・・・


あの部屋に住む
お母さんの魂が・・・


俺に・・・
教えて・・・
くれてたんすね・・・」


拓弥は・・・
ゆっくり目を瞑ると・・・


あの時の温かな・・・


ルイ君の
お母さんの想いに・・・


静かに心を馳せた・・・。

















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