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『幼なじみ』

第15章  絆



やっと・・・
話が見えて
来たのか・・・


漸く・・・
穏やかな表情を
浮かべたルイ君は・・・


一息つきながら・・・


【鳴いたカラスが
もう笑った・・・】



そんな諺・・・
そのままに・・・


明るく・・・
笑いながら
話し出す・・・。


「フフフ・・・


なんか・・・


今日の拓弥・・・
謝って・・・
ばっかだね・・・?


もう・・・
顔上げてよ・・・


フフフ・・・




実はね・・・?
俺も・・・


黙ってた事
あるんだけど・・・


怒らないで・・・
聞いてね・・・?


うんと・・・


拓弥が・・・
家に遊びに来る
少し前・・・


お母さんの
仏壇の前に座って・・・


【今日・・・拓弥って
お友達が・・・
家に遊びに来るよ!】


って・・・
お線香あげながら・・・
報告したんだ・・・!


そしたらね・・・?


いつもは・・・
何にも言わない
お母さんが・・・


【お母さんの部屋に
連れてらっしゃいね!】

って・・・
突然話しかけて
来たんだ・・・!


俺・・・
ビックリ
したんだけど・・・


凄い嬉しくて・・・


お手伝いさんに・・・
ご馳走作ってね!
って・・・
お願いしてね・・・


フフフ・・・。


でもね・・・?


拓弥を・・・
不安にさせちゃ
いけないと思って・・・


お母さんからの
伝言は内緒にして・・・


ご飯食べた後・・・


勝手に拓弥を・・・
部屋に
案内しちゃったんだ・・・


ごめんね・・・?





でもさぁ・・・
お母さん・・・


本当・・・
心配性だよね・・・。


鍵に乗り移って・・・


拓弥に・・・
そんなお願い事
してたんだね・・・


全然知らなかった・・・。


拓弥も・・・
優しいから・・・


お母さんの
気持ちに・・・


目一杯・・・
応えてくれたんだね・・・


本当に・・・


どうも有難う・・・」


今度は・・・
嬉し涙を・・・


溢れんばかりに
浮かべた
ルイ君は・・・


拓弥の両手を
スッと・・・
取り上げると・・・


これまでにない
優しい表情で・・・


静かに微笑んだ・・・。
















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