『幼なじみ』
第15章 絆
クスリを止める
決心をしてくれた・・・
ルイ君に安堵し・・・
拓弥は・・・漸く・・・
温かく・・・
軟らかな表情を
浮かべ始める・・・。
そして・・・
リビングの
掛け時計で
時間を確認すると・・・
そろそろ・・・
夜の十時を回る頃に
なっていた・・・。
「ルイ君・・・?
今日は・・・
クスリ止める決心
してくれて・・・
本当に有難うッス・・・。
最初は・・・
ツライと思うんすヨ・・・
でも・・・俺も・・・
薬物は一切・・・
止める
つもりなんで・・・
一緒に頑張りましょ!!」
拓弥は・・・
ルイ君の母親と
自分の母親を・・・
いつしか重ね合わせ・・・
自分も薬物を・・・
止める決心を
強引に固めてみる・・・。
そして・・・
カタッと・・・
椅子から立ち上がり・・・
「じゃぁ俺・・・
時間なんで・・・
そろそろ・・・
行きますわ・・・」
と・・・
真剣な面持ちで
呟く拓弥に・・・
何故か一瞬・・・
思い詰めた
表情を浮かべた・・・
ルイ君が・・・
下を向きながら・・・
ポツリポツリと・・・
静かに
話し始める・・・。
「拓弥・・・俺ね・・・?
こんなこと・・・
言いたくないん
だけど・・・
今日のイベント・・・
何か・・・
悪い予感がするんだ・・・。
拓弥に・・・
もしもの事が
あったら・・・
絶対に嫌だし・・・
迷惑じゃなかったら・・・
今日一緒に・・・
連れて行って
くれない・・・?」
ルイ君の・・・
突然のお願いに・・・
かなり躊躇した
拓弥は・・・
戸惑いを・・・
隠し切れず・・・
ひたすらに・・・
頭を抱えてしまった・・・。