
『幼なじみ』
第17章 幼なじみ
そして・・・
身体がグニャリと
曲がる程・・・
物凄く・・・
強い力に流され・・・
その勢いで・・・
漸く我に返った拓弥は・・・
真剣な顔を
作りながら
今一度振り返り・・・
悠希らしき女の姿を
再度・・・
観察してみる・・・。
そして・・・暫く・・・
その女の容姿を
見据えるうち・・・
今度は・・・
怒りとも取れる
感情が・・・
フツフツと・・・
激しく
沸き上がって来た・・・。
『つか・・・さ・・・
真面目だった悠希が・・・
なんで・・・
物騒なクラブなんかに
居んだよ・・・?
濃い化粧して
派手な格好して
チャラチャラ
しやがって・・・
男漁りに来た訳じゃ
あるまいし・・・
つか・・・やっぱ・・・
人違いだろ・・・?』
悠希には・・・
死ぬほど会いたいが・・・
その女が・・・
悠希であって
欲しい気持ちと・・・
いたいけな悠希には・・・
クラブに
絶対来て欲しくない!
という・・・
複雑な思いが
交互に押し寄せ・・・
胸が一気に・・・
張り裂けそうになる・・・。
そして・・・
鬱々とした気分のまま・・・
漸く
バーカウンターが
手の届く所まで・・・
辿り着いた拓弥は・・・
何とか・・・
気持ちを切り替える為・・・
「バドワイザー1つッ!
超特急でッ!」
と・・・
顔見知りのバーテンに
大きな声で注文した・・・。
