『幼なじみ』
第17章 幼なじみ
既に・・・
野獣と化した拓弥に・・・
更に・・・
追い討ちを・・・
かけるように・・・
少し酔いが回った
表情を浮かべる
悠希が・・・
頬を赤らめ・・・
目を
ウルウルさせながら・・・
拓弥を・・・
妖しく見つめて来る・・・。
『ヤベ・・・俺・・・
コイツの事・・・
好きになるかも・・・』
完全に動揺し・・・
自分の気持ちに
歯止めが効かなく
なって行くが・・・
とにかく今は・・・
自分が本当に
幼なじみの
拓弥なんだと・・・
悠希に・・・
分かってもらう為・・・
気持ちを切り替え・・・
何事も
無かったかのように・・・
一先ず・・・
自分の名前を口にする・・・。
「俺だよ・・・拓弥だよ。
忘れたのかよ・・・?」
声は小さいが
ハッキリとした
口調で呟き・・・
悠希の・・・
嬉しがる反応を
心待ちにしていたが・・・
何故か悠希は・・・
相も変わらず・・・
ボーッと・・・
此方を
見つめたままだ・・・。
そうこうしているうち・・・
理性を取り戻した・・・
拓弥は・・・
徐々に・・・
悠希と楽しかった
思い出話に
花を咲かせたい・・・
という・・・
懐かしい思いに・・・
打ちひしがれて行き・・・
今度は・・・
『俺に気付いてくれ』と
言わんばかりの・・・
強い視線で・・・
訴え掛けてみる・・・。
しかし・・・
またしても・・・
隣で執拗以上に
目を輝かしている
ギャル風な女に・・・
その願いは・・・
瞬時にして
打ち砕かれ・・・
拓弥の想いは・・・
儚く散って行った・・・。