『幼なじみ』
第17章 幼なじみ
「もぉぉ~!悠希?!
タクヤ君だってよ?!
知り合いなんでしょッ?!」
イライラしながら・・・
詰め寄って来る
その女の台詞に・・・
悠希はハッ!と・・・
目を見開き・・・
漸く何か・・・
閃いた表情を
浮かべるが・・・
そんな悠希に・・・
一言も喋る隙を
与えぬまま・・・
今度は・・・
拓弥に向き直った・・・
その女が・・・
頼みもしない
自己紹介を
元気一杯にし始める・・・。
「どうも初めまして~!
美波で~す・・・
悠希とは・・・
大学からの友達で
めちゃ親友
なんですけど~
タクヤ君って・・・
悠希とは・・・
どういう・・・
知り合いなんですか~?」
肝心な所で
いつも空気を
ぶち壊され・・・
遂には・・・
この女が・・・
ウザくなった拓弥は・・・
「幼なじみ」
と・・・
ぶっきらぼうに
答えてみるが・・・
しかし・・・
このままでは・・・
美波と名乗る
この女に・・・
全てを乗っ取られ・・・
悠希と話す前に
春斗を
迎えに行く時間に
なってしまう・・・
と・・・
冷静に思い立ち・・・
此処は一先ず
退散しようと・・・
心に決める・・・。
そして・・・
慌ただしい中・・・
ついうっかり・・・
東京連合の
パーティーの事を
忘れてしまい・・・
迂闊にも
二人キリになれる
VIPルームに・・・
悠希を誘おう・・・
と・・・
馬鹿な考えが
閃いてしまった
拓弥は・・・
とうとう・・・
言ってはならない
一言を・・・
悠希に向かって
口走った・・・。