『幼なじみ』
第19章 疑心
「と・・・取り敢えずさ・・・
春斗の兄貴が
東京連合の幹部で・・・
今日が誕生日なのは
よく分かったよ・・・
でもさ・・・
そんな大事な話・・・
何で・・・今まで
俺に言って
くれないんだよ・・・?
前に・・・
渋谷でバッタリ
会った時・・・
パーティーの話に
なったよな・・・?
そん時・・・
俺の兄貴は
東京連合の幹部です!
って教えてくれても
良かったんじゃねーの?!
それに・・・
今回のパーティーの・・・
【ヤバイ内容】とか・・・
どうせ
兄貴から聞いて
全部知ってんだろ・・・?
だったら何で・・・
あんな大勢居る前で
マイク使って・・・
俺が・・・
プロデュースする
なんて・・・
トンでもないデタラメ
言うんだよッ?!」
かなりイライラし
語気を強めて
しまったが・・・
春斗の顔つきは
凛々しく
真剣そのもので・・・
自分を
騙してるようには
全く見えず・・・
やはり・・・
この一連の
春斗の行動の裏には・・・
何か特別な理由が
隠されているに
違いない・・・
と、察した拓弥は・・・
気持ちを落ち着かせ・・・
耳を傍立てながら・・・
春斗の言葉を
心待ちした・・・。