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『幼なじみ』

第20章  魔性



そんな・・・
煮え切らない拓弥の
態度に・・・


納得がいかないのか・・・


梨香は大きな瞳で
拓弥を見つめ・・・


透き通るような
白さの綺麗な手を・・・
スッと目の前に
差し出してくる・・・。


そして・・・
甘えた声で・・・


「拓弥くん・・・


こちらこそ・・・
よろしくねぇ・・・?」


と・・・呟き
妖しく微笑むと・・・


少し斜めに首を傾け・・・


早く握手して・・・。
とばかりに・・・


差し出す細い手を
上下に大きく・・・
振って見せた・・・。


拓弥は・・・
梨香の計り知れない
妖艶さに・・・


度肝を抜かれ・・・
一瞬固まるが・・・


この女には・・・
絶対に
飲み込まれまいと・・・


気合いを入れ・・・


パッと片手を出し・・・


梨香の白い手を・・・
そっと握ってみる・・・。


すると・・・
瞬く間に・・・


梨香の黒魔術にでも
架かって
しまったかのような・・・


甘く・・・
とろけるような
妖しい感覚に陥った・・・。


『な・・・
なんだよ・・・これ・・・?』


その感覚は・・・


梨香を・・・
自分の彼女にしたい・・・
と言うよりも・・・


今すぐ・・・
この女を抱いて・・・
滅茶苦茶に
してやりたい・・・


という・・・
強烈で凄まじく
淫靡な感覚であり・・・


焦りまくった拓弥は・・・


直ちに・・・
梨香の・・・
冷たい手を放すと・・・


「ちょっと・・・わりーな・・・」


と・・・二人に背を向け・・・


一階のトイレへ
駆け込んでしまった・・・。















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