テキストサイズ

『幼なじみ』

第20章  魔性



「ねぇ・・・拓弥くん・・・


梨香ねぇ・・・


拓弥くんのコト・・・
気に入っちゃったぁ・・・。


これから・・・
梨香といっぱい
仲良くしてくれる・・・?」


そんなまさかの
ドッキリ発言を
口にした梨香は・・・


営業用の・・・
悩殺スマイルを
此方に向け・・・


金色のラメで
縁取られている・・・


黒のセットアップの
ポケットに手を伸ばし・・・


自分が勤めている
キャバクラの名刺を・・・


そっと・・・
拓弥の目の前に
差し出して来る・・・。


そんな突然の
梨香の言動に・・・


拓弥は・・・
目ん玉が飛び出るほど
驚愕するが・・・


またしても
梨香の黒魔術に・・・
操られたかのように・・・


無言で名刺を
受け取ってしまう・・・。


そして・・・


二重人格としか
思えない・・・


まさに
究極のツンデレな
態度で・・・


男を見事に
手玉に取る梨香に対し・・・


拓弥は・・・
当然の如く・・・
白旗を揚げ・・・


心の中で・・・
敗北宣言を宣誓すると・・・


外見だけは・・・
見事なまでに
パーフェクトな
この女と・・・


このまま
地獄に流されるのも
悪くない・・・


と・・・
トンでもない邪心に
支配され・・・


梨香の思う壺に
まんまと
ハマって行き・・・


只々・・・
美しく整った
梨香の顔を・・・


呆然と・・・
見つめるしか
出来なくなっていた・・・。













ストーリーメニュー

TOPTOPへ