
『幼なじみ』
第21章 回想
「えっと・・・
あたしね・・・
中学時代も・・・
勉強三昧で・・・
でも
明るい帰宅部でね・・・
中二の時に・・・
同じクラスで長身の
バスケ部の男子を・・・
好きになったの・・・。
で・・・
一年間片想いして
中三の時に告ったら・・・
何だか
トントン拍子に
付き合う事になったんだ・・・。
まぁ付き合うって
言っても・・・
学校から・・・
一緒に帰る程度で・・・
結局ね・・・
なぁんにも無いまま
自然消滅しちゃったん
だけどね・・・。
フフ・・・
何か盛り上がらない話で
ごめんね・・・?
あ!そうそう!
思い出した!
その彼ね・・・
拓弥とは結構
仲良くて・・・
一緒にボクシングジム
通ってたんだよッ!
だから・・・
今でも拓弥・・・
筋肉質なんじゃない?
フフフ・・・」
最後を拓弥の話で
締めたあたしは・・・
美波の顔を
凝視してみる・・・。
すると・・・
美波は・・・
あたしの元彼の話は
さて置き・・・
ポーッと
遠くを見つめたまま・・・
昔の拓弥に
胸をトキメかせて
いるようだ・・・。
そんな美波に
あたしは・・・
「ねぇ・・・美波・・・?
此処で待ってても
埒開かないし・・・
もう一度
VIPのバーカウンターで
拓弥の事・・・
待ってみない・・・?」
と・・・
声を掛け・・・
もうそろそろ・・・
VIPに来ても
おかしくない拓弥を・・・
外で待つよう
優しく諭した・・・。
