
『幼なじみ』
第22章 詐称
『彼女・・・一体・・・
何だったんだろ・・・?』
あたしが・・・
嵐のように去って行った
派手な女について・・・
グルグルと・・・
考えを巡らせていると・・・
「ねぇ・・・聞いた・・・?
黒人のセキュリティ・・・
あの女のコト・・・
【リカ】って・・・
呼んでたね・・・?
まぁ・・・これからも・・・
一生・・・
あの女とは関わらないと
思うから・・・
名前知ったところで
意味無いんだけどね・・・?
アハハ・・・
でも・・・取り敢えず・・・
【リカ】って名前には・・・
悠希も・・・
絶対気を付けてよッ!!」
あたしと同様・・・
あの女の観察を続け・・・
名前を確実に
聞き取った美波が・・・
あたしに優しく・・・
忠告してくれる・・・。
「そっか・・・あの子・・・
【リカ】って名前なんだぁ・・・
流石・・・美波・・・!
よく聞いてたね・・・!
有難うネッ!」
透かさず・・・
美波に感謝しながらも・・・
【リカ】という・・・
名前の二文字が・・・
否応なしに・・・
頭にコビリついてしまった
あたしは・・・
無性に気分が悪くなり・・・
もう一人のバーテンに・・・
何かスッキリする酒を
頼もうとした瞬間・・・
あたしたちの背後から・・・
聞き覚えのない
男の声が・・・
突然・・・耳を掠めた・・・。
