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『幼なじみ』

第22章  詐称



そんな喜多見の・・・


人混みに消えていく
背中を見つめながら・・・


この男は策士だと・・・
完全に疑ったあたしは・・・


真っ先に・・・
自分の胸の内を
美波に伝えようと・・・


即座に口を開く・・・。


「ねぇ・・・美波・・・?


喜多見さんだけど・・・


何となくね・・・?


危険な臭いがするから・・・


あんまり・・・


関わらない方が・・・
良いと思うの・・・。


今度・・・
二人で会おう・・・なんて・・・


勝手に誘ってたけど・・・


まだ・・・
どんな人か・・・
良く分からないし・・・


先走らない方が・・・
身の為なんじゃない・・・?」


すると・・・


いきなり・・・
喜多見を悪く言った
あたしに対し・・・


美波は・・・
不思議で堪らない・・・
といった表情を
浮かべながら・・・


「エッ?なんで・・・?
急にどしたの・・・?


だって・・・喜多見さん・・・


すんごい・・・
優しそうだったし・・・


普通に・・・
金持ちのボンボンぽいし・・・


名刺にも・・・
慶応大学って
書いてあったじゃん!


取り敢えずさ・・・


飲み友達として
繋げとけば・・・


大学の・・・
面白いサークル行事に
誘ってくれるかも
しれないし・・・


間違いなく・・・


うちらにとって
楽しくてプラスになる事
絶対あるって・・・!


悠希・・・?


ちょっと・・・
考えすぎじゃないッ?!」


と・・・勢いよく・・・
あたしを否定したかと
思うと・・・


忠告を全く・・・
聞き入れようともせず・・・


喜多見の名刺を・・・


自分の胸元に・・・
大事そうに・・・
仕舞い込んだ・・・。















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