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『幼なじみ』

第22章  詐称



暫く
嫌な沈黙が続く中・・・


あたしは・・・


何とかこの空気を
打破しようと・・・


怒りを露にした
美波の台詞を・・・


真剣に
思い返してみる・・・。


すると徐々に・・・
冷静になって行き・・・


美波の真意が・・・


少しずつ
分かって来た・・・。


多分・・・
美波は・・・


まだきちんと
話もしていない
拓弥の事を・・・


執拗以上に
好きになって
しまったのだろう・・・。


そして・・・


拓弥にフラれ・・・


自分が・・・
凄まじく傷つく場面を
想像し・・・


万が一に備え・・・


喜多見を
次の彼氏候補として・・・


繋げて
おきたかったのだ・・・。


いつも明るく
気丈に振る舞い
ながらも・・・


繊細な心を
持ち合わす・・・


可愛らしい
美波に・・・


出会った当初から
惚れ込んでいる
あたしは・・・


美波に向かって
微笑むと・・・


一先ず
折れる事にする・・・。


「美波・・・?


あたし・・・
言い過ぎちゃったよね・・・


折角・・・


これから
楽しい気分で・・・


拓弥に
会おうとしてるのに・・・


水差すような事
ばっかり言って・・・


ごめんね・・・?


只ね・・・


喜多見さんを
疑ってる件に関しては・・・


やっぱり・・・
謝れないよ・・・。


本当に・・・


美波が心配だから
忠告しただけだし・・・


悪気は無いから・・・。


それだけは
分かって・・・ね・・・?」


喜多見の事が
間違いなく怪しいと
踏んでいるあたしは・・・


この件だけは
絶対に譲らなかった・・・。











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