『幼なじみ』
第23章 罠
そして・・・
執拗以上に
頭に血が昇ってしまった
拓弥は・・・
何とか
冷静になろうと・・・
人気のない
壁際に身を寄せ・・・
大きく深呼吸し・・・
手渡された
名刺を
再確認してみる・・・。
すると・・・
【ブラックボックス代表】と
またしても架空の
サークルであろう・・・
聞いたことのない
団体名が・・・
印刷されているのに
気づき・・・
人を騙す為の・・・
余りに凝った
喜多見の演出に・・・
拓弥は・・・
自分の頭から・・・
スーッと
血の気が引くのが
分かった・・・。
『そこまでして・・・
アンタ・・・一体・・・
何をしようと
してんだよッ・・・?!』
とてつもなく
不気味な・・・
喜多見の
読めない本性を
考えているうち・・・
ふと・・・
拓弥の頭に・・・
ある一つの疑問が
浮かび上がる・・・。
『ん・・・?
何で・・・喜多見は・・・
この名刺を・・・
俺に・・・
渡してくれって・・・
セキュリティに
頼んだんだ・・・?』
根本的な事を
ウッカリ忘れていた
拓弥が・・・
全く検討も
付かないまま・・・
何気なく・・・
この謎だらけの名刺を
サッと裏返してみると・・・
そこには・・・
喜多見からの・・・
拓弥宛の
メッセージが・・・
余白に
走り書きされていた・・・。