『幼なじみ』
第24章 抱擁
そんな拓弥を包む
異様な空気に・・・
全く気付かないのか・・・
その場から・・・
一歩も動こうとしない・・・
美波の
凄まじい粘着性に・・・
拓弥は・・・
悠希に会えた喜びも
何処かにフッ飛び・・・
とうとう・・・
完全に・・・
堪忍袋の緒が
切れてしまう・・・。
「あのさぁ・・・
美波ちゃんだっけ・・・?!
マジ・・・
いい加減に
してくんねーかな・・・
俺・・・今・・・
究極に・・・忙しいんだわ・・・
で・・・どうしても・・・
悠希に伝えなきゃ
いけない事あってさ・・・
つかもう・・・いいから・・・
早く・・・
二人きりに・・・
させてくれよ・・・!」
少し離れた
カウンター席で・・・
二人の会話が
聞き取れていない様子の
悠希が・・・
心配そうに・・・
此方を
見つめている・・・。
「えッ・・・?
た・・・拓弥・・・君・・・
忙しい・・・んだ・・・。
ご・・・ごめん・・・ね・・・?
あッ・・・!
そ・・・そだよ・・・ね・・・
久しぶりに・・・
悠希と・・・
会ったんだもん・・・ね・・・。
積もる話も・・・
あるよ・・・ね・・・?
つか・・・あた・・・し・・・
全然・・・空気・・・
読めてない・・・じゃん・・・。
ごめ・・・ん・・・なさい・・・」
あれだけ
惚れ込んだ拓弥に・・・
突然・・・
まさかの暴言を吐かれた
美波は・・・
悠希の
知らないうちに・・・
一瞬にして・・・
玉砕した・・・。