テキストサイズ

『幼なじみ』

第24章  抱擁



「ど・・・どうしたんだよ・・・?
悠希・・・?!」


頬を紅潮させ・・・


瞬く間に・・・
鬼の形相になって行く
悠希を前に・・・


全く以て・・・
訳が分からない拓弥は・・・


戸惑いの色を
隠せないまま・・・


悲しげに
慌てふためく・・・。


すると・・・


悠希は突然・・・


バッ!と
腕組みしながら・・・
前屈みになり・・・


尻込みする
拓弥を見据えると・・・


いきなり声を荒げ・・・


ヒステリックに・・・
わめき散らした・・・。


「もうッ・・・!一体・・・
何だっていうのよッ・・・?!


【どうしたんだ・・・?】は・・・
こっちの台詞だよッ・・・!!


いきなり・・・
抱きしめるなんて・・・


全然・・・
意味分かんないよッ・・・!!


あたし・・・


拓弥と・・・
再会出来て・・・


本当に嬉しかったし・・・


今日・・・これから・・・
お酒でも飲みながら・・・


子供の頃の話とか・・・


お互いの近況とか・・・


イッパイ・・・
色んな話するの・・・


楽しみに
してたんだよッ・・・?!


それなのに・・・


いきなり・・・
こんなのって・・・


あんまりだよッ・・・!!



それに・・・美波に・・・
何・・・言ったの・・・?


美波は・・・
何処に・・・行ったの・・・?


早く・・・
探して・・・来て・・・ッ・・・!」


半分・・・
泣きそうに
なりながらも・・・


必死に正論を
唱える悠希に・・・


拓弥は・・・
夢心地から・・・


一瞬にして・・・


奈落の底へ
突き落とされ・・・


アッと言う間に・・・


凄まじい程の
後悔の渦に・・・


グルグルと
飲み込まれて行った・・・。












ストーリーメニュー

TOPTOPへ