
『幼なじみ』
第25章 猛省
「ハァ・・・ハァ・・・
ゆ・・・悠希ッ・・・!
ホントに・・・俺が悪かった・・・
言い訳も・・・何もしないッ!
ハァ・・・ただ・・・悠希に・・・
どうしても・・・
話さなきゃイケない事が
あんだよ・・・ッ!
ハァ・・・頼むから・・・
黙って・・・ハァ・・・ハァ・・・
その話だけ・・・
聞いてくれッ・・・!」
頭を床に
擦り付けながら・・・
息も絶え絶え
哀願する拓弥を前に・・・
慌てた悠希は・・・
咄嗟にその場に
しゃがみこむ・・・。
「ちょ・・・な・・・何ッ?!
た・・・拓弥・・・?!
そんな事・・・止めて・・・?
と・・・とりあえず・・・
頭上げてよッ・・・!
ん・・・もうッ・・・!
わ・・・分かったからッ・・・!
美波・・・見付けたら・・・
また・・・此処の・・・
バーカウンターまで・・・
戻ってくるし・・・
とりあえず・・・
待ってて・・・?!
それで・・・
良いでしょッ・・・?!」
土下座まで披露した
拓弥の執念に
観念したのか・・・
悠希は・・・すんなり・・・
話を聞き入れ・・・
また会う約束を
交わしてくれる・・・。
一先ず・・・
安心した拓弥が・・・
ゆっくりと顔を上げ・・・
恐々・・・
様子を伺ってみると・・・
目の前には・・・
先程とは・・・
うって変わって・・・
いつもの
可愛らしい悠希が・・・
にこやかに
自分に向かって
手を差し伸べており・・・
拓弥は・・・
悠希を見つめながら・・・
ゆっくりと
床に着いていた
手を伸ばすと・・・
悠希のしなやかで
綺麗な手を・・・
しっかりと握った・・・。
