
『幼なじみ』
第25章 猛省
そんな・・・
昼間のメロドラマような
悲喜劇を・・・
延々と織り成す二人を
蔑めるかのように・・・
VIPの・・・
着飾った人間達が・・・
人を小馬鹿にしたような
呆れ顔で・・・
クスクスと笑いながら
通り過ぎていくが・・・
そんな輩を
完全に無視し・・・
黙って・・・
自分を
立ち上がらせてくれる・・・
昔と変わらない
優しい悠希に
感動した拓弥は・・・
「あ・・・ありがとう・・・。」
と・・・少し照れ臭そうに
礼を述べ・・・
そっと・・・
悠希の手を離し・・・
服に付いた埃を
パンパン叩きながら
姿勢を正す・・・。
すると・・・突然・・・
ハッと・・・
何かを思い付いた
拓弥は・・・
即座に・・・
自分の短パンの
ポケットに手を入れ・・・
ゴソゴソと
探しながら・・・
在るモノを取り出すと・・・
優しく
見守ってくれている
悠希の目の前に・・・
スッと差し出した・・・。
「悠希・・・?
これさ・・・
俺の名刺なんだけど・・・
今日・・・このあと・・・
万が一・・・
悠希と会えなかったら・・・
俺・・・
死んでも・・・
死にきれねーからさ・・・
行き違いに
なった時の為に・・・
これ・・・
受け取って
くんねーかな・・・?」
上部に・・・
(株)ブルーカンパニーと
書かれた・・・
その名刺には・・・
拓弥の名前と・・・
会社の電話番号・・・
そして・・・
携帯及び・・・
頭に【移動電話】と
明記された
電話番号が・・・
所狭しと羅列していた・・・。
