
『幼なじみ』
第27章 待機
すると・・・漸く・・・
視界がクリーンになり・・・
部屋の中を
キョロキョロと・・・
見渡し始めた
拓弥に向かって・・・
隣で・・・
前のめりになった
春斗が・・・
遠くの方を
指差しながら・・・
話し掛けてくる・・・。
「あのさ・・・?
暗くて・・・
よく見えないと
思うけど・・・
奥の方に・・・
黒い革のソファーが
長方形に陣取ってる
場所があんのよ・・・。
兄貴・・・今そこで・・・
誕生日を
祝ってくれてる仲間に
囲まれながら・・・
ソファーの上座に
座ってると
思うんだよね・・・?
で・・・
俺が・・・まず・・・
兄貴の事
呼び出して来るから・・・
拓弥は・・・
ん・・・まぁ・・・
言いづらいんだけど・・・
そのソファーには
近づかないで・・・
此処で待ってて
欲しいのよ・・・。
つか・・・悪気はないよ・・・?
たださ・・・
東京連合の
幹部の間で・・・
拓弥は・・・まだ・・・
喜多見さんとツルんでる
極悪人だと
思われてる訳じゃん・・・?
たとえ・・・
面が割れてなくても・・・
拓弥の事・・・
見掛けた幹部連中に・・・
オマエ・・・何者だよッ・・・?!
なーんて・・・
喧嘩フッかけられても・・・
面倒でしょ・・・?!
つーことで・・・
俺・・・
ちょっと・・・先に・・・
兄貴の様子
見てくるからさ・・・!
大人しくしててよッ!」
春斗は・・・
ウインクしながら・・・
拓弥を
安心させるかのように・・・
ポンポンと二回・・・
優しく肩を叩くと・・・
瞬く間に・・・
スーッと
拓弥の前から
姿を消した・・・。
