『幼なじみ』
第27章 待機
そして・・・拓弥は・・・
ボンヤリと
煙草を燻らしながら・・・
先程・・・
抱き締めてしまった・・・
柔らかな
悠希の感触を思い出す・・・。
『あー・・・俺・・・
何やってんだよ・・・?
今日・・・
普通にクラブに
遊びに来てたら・・・
ホントは今頃・・・
俺だって・・・
悠希と・・・
イチャつけてたかも
しれねーのにな・・・
フゥ~
悠希・・・
どうしてっかな・・・?
変な男に
絡まれてなきゃ
良いけどな・・・
あー・・・俺って・・・
ホント・・・
馬鹿だよな・・・』
そんな・・・
いつもの・・・
自責の念を・・・
心の中でブツブツと
唱える中・・・
どれくらい時間が
経ったであろう・・・
そうこうしているうち・・・
遠くの暗闇から・・・
「拓弥・・・!お待たせッ!」
と・・・
様子を見に行って
くれていた春斗の・・・
威勢の良い声が・・・
耳を掠めるが・・・
目の前の・・・
春斗の
元ファンと言っても
過言ではない女たちの・・・
淫らで不愉快な行為に
気を取られ・・・
迂闊にも・・・
春斗の兄貴との
大事な一件すら
忘れ掛けていた拓弥は・・・
突然の春斗の声に・・・
動揺し・・・
目をクリックリに
丸くすると・・・
左手に持っていた・・・
もう用を足さない・・・
スッカリ
短くなってしまった
煙草を・・・
慌てて・・・
床に投げつけた・・・。