『幼なじみ』
第27章 待機
「ちょっとぉ・・・春斗・・・?
どこ行くのぉ・・・?!
梨香ぁ・・・
ここに居るの・・・
飽きてきちゃったん
ですけどぉ・・・?!」
一世一代の大バクチを
打とうとしている・・・
気合いの入った拓弥が・・・
その女の声に
出鼻を挫かれ・・・
振り返ってみると・・・
相変わらず
強烈な色気を醸し出す・・・
かなり
酔っ払った様子の
梨香が・・・
拓弥と同じく・・・
急いでVIPルームを
出ようとしていた
春斗に近付き・・・
ベタベタと・・・
まとわり付いている・・・。
すると・・・一瞬・・・
参ったなァ・・・と
言わんばかりの・・・
バツの悪そうな
表情を浮かべた
春斗だったが・・・
振り向きざまに・・・
カッと目を見開くと・・・
「梨香・・・?!
放っておいて・・・
ごめんね・・・?!
つかさ・・・今・・・
ぶっちゃけ・・・
梨香と話してる時間・・・
一秒も無いんだよ・・・。
悪いんだけど・・・
もう少し・・・
この部屋で待ってるか・・・
もしくは・・・
タクシー代あげるからさ・・・
先に・・・
自分ん家に・・・
帰っててくれない・・・?
この埋め合わせは・・・
ちゃんとするから・・・
梨香ちゃん・・・?
ここは大人しく・・・
言うこと・・・
聞いてよ・・・ね・・・?!」
と・・・
口調は優しいものの・・・
男らしい台詞を
ガツンと言い放ち・・・
唖然とし
その場で立ち竦む
梨香の女心を・・・
完全に踏み滲った・・・。