『幼なじみ』
第28章 脅威
そんな・・・
春斗の暴言にすら・・・
微動だにしない・・・
正に・・・
悪役プロレスラーの
ような・・・
春斗の兄貴は・・・
漸く立ち上がった
二人の様子を・・・
腕組みをしながら・・・
呆れ顔で見下ろし・・・
ため息混じりに
口を開く・・・。
「ハァーア・・・
仕方ねーなァ・・・
友達ゴッコは
終わったかよ・・・?
拓弥とかいう・・・
そこのお前・・・
春斗のお陰で
命拾いしたなァ・・・?
まぁ・・・
このままじゃ・・・
埓開かねーし・・・
取り敢えず・・・
約束通り・・・
話だけは聞いてやるよ・・・。
その代わり・・・
俺に・・・1ミリでも・・・
裏切るようなコト・・・
仕出かしたら・・・
生きて帰れると
思うなよ・・・?」
未だに・・・
頭の整理が付かず・・・
凄まじく脅威的な
春斗の兄貴を・・・
只々・・・
呆然と見つめるしか
出来ない
拓弥だったが・・・
自分をしっかりと
横で支えてくれている
春斗の・・・
「拓弥・・・?
もう大丈夫だから・・・
嫌だろうけど・・・
兄貴に話・・・
聞いてもらおう・・・?」
という・・・
包み込むような
優しい台詞にほだされ・・・
何とか・・・
覚悟を決めると・・・
春斗の腕から
自分の肩を
ゆっくりと離し・・・
しっかりと前を見据え・・・
胸元が激しく乱れた
Tシャツを・・・
片手で整えながら・・・
力強く話し始めた・・・。