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『幼なじみ』

第29章  談合



「なぁ・・・拓弥・・・?


俺と兄貴・・・
全然似てないっしょ・・・?


先に話しとけば
良かったんだけど・・・


俺の母親・・・


ぶっちゃけ・・・
二号さんでさ・・・


兄貴とは・・・
父親が同じってだけで・・・


一緒に住んだ事も
一度も無くって・・・


まぁ・・・言っちゃえば・・・


物凄く縁遠い・・・
異母兄弟なのよ・・・





アッ・・・!
ごめんごめん・・・


今・・・そんな話・・・
してる場合じゃないね・・・


じゃ・・・行こっか・・・?」


そんな春斗の
突然の告白に・・・
驚きながらも・・・


先程・・・
自分勝手に思い描いた
兄貴像と・・・


リアル兄貴の・・・


容姿が余りにも・・・
違っていた根拠に
思わず納得し・・・


気分的に・・・
スッキリした拓弥は・・・


「そっか・・・
話してくれて・・・
有難うな・・・


春斗も色々・・・
大変なんだな・・・!


ヨシ!
早く喜多見の件
終わらせて・・・


パーッと
盛り上がろうぜッ!」


と・・・
家族の深い話を
聞かせてくれた春斗に・・・


感謝の気持ちを
伝えながら・・・


これ以上は・・・
家庭の事情に・・・
口を挟まない方が
賢明だろう・・・と・・・


咄嗟に頭を切り替える・・・。


すると・・・


自分を・・・
気遣ってくれた
拓弥が醸し出す・・・


優しい空気を・・・
透かさず
読み取ったのか・・・


此方に・・・
爽やかな
笑顔を向けた春斗が・・・


拓弥の腕をパッと掴み・・・


兄貴は俺に任せてッ!
とばかりに・・・
力強く頷くと・・・


一番奥の個室へと・・・


手を引くように・・・
勇み足で・・・
進んで行った・・・。













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