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『幼なじみ』

第29章  談合



「で・・・
話・・・続けさせて
貰いますけど・・・


俺・・・さっき・・・
知り合いの黒人の
セキュリティから・・・


喜多見さんの名刺・・・
預かったんすよ・・・。


兄さんも・・・
春斗から聞いてると
思うんすけど・・・


喜多見さん・・・


その名刺の
プロフィール・・・


メチャクチャに
詐称しまくってんすよね・・・。


俺も・・・さっき・・・
その名刺・・・
初めて見た時・・・


ぶっちゃけ・・・
度肝抜かれたんすけど・・・


あーこれで・・・
女騙して・・・


レイプとか・・・
詐欺とか・・・


悪どいコト・・・
やってんだなって・・・
マジ・・・確信したんすよ・・・


で・・・俺・・・


何気なく・・・
その名刺の裏側・・・
見たんすけど・・・


そしたら・・・


【午前3時
非常階段を上がって
屋上に来てくれ】


って・・・
喜多見さんの字で
走り書きされてて・・・


で・・・」




このまま・・・拓弥が・・・


喜多見との
避けては通れない
密会の件(くだり)を・・・


透かさず・・・
兄貴に相談しようとした
その瞬間・・・


苦虫を噛み潰した表情で・・・
拓弥を凝視していた
春斗の兄貴が・・・


突如・・・
話を遮ってくる・・・。


「おい・・・
取り敢えず・・・


その喜多見の名刺・・・
見せてみろや・・・」


すると・・・


兄貴の鶴の一声で・・・
ハッと我に返り・・・


早く兄貴に
名刺の現物を見せて・・・


自分を更に
信用してもらおうと・・・
焦った拓弥は・・・


いきなりソファーから
立ち上がり・・・


短パンのポケットに
勢いよく
手を突っ込むと・・・


ポケットの中の物を・・・
無我夢中で・・・


目の前の
テーブルの上に・・・
ブチ撒けた・・・。














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