『幼なじみ』
第29章 談合
「ハァン・・・?
分かんねーのかァ・・・?
クッ・・・
生きてるうちに・・・
脳ミソ使えよ・・・
んじゃぁ・・・
仕方ねーなァ・・・
今から・・・
キッチリ説明して
やっから・・・
両耳かっぽじって・・・
良く聞いとけよ・・・?
つまりだなァ・・・
今日は一旦・・・
お前と喜多見を
泳がせて・・・
喜多見が後日・・・
クスリを使う犯行現場に・・・
お前が潜入すんだよ・・・。
そこでだ・・・
お前の合図で・・・
外で待機してる
俺たち幹部が・・・
ガサに入って・・・
薬物見つけたところで・・・
間違いなく・・・
クスリでブッ飛んでる・・・
アホ面下げた
クソ喜多見を・・・
その場で・・・
とっ捕まえる・・・。
ってのが・・・
得策なんじゃねーかァ・・・?
なァ・・・拓弥・・・
名案だろ・・・?
お前も・・・
チンピラの
端クレならなァ・・・
これぐらい・・・
朝飯前に・・・
チャッチャと
済ませてみろや・・・。」
突然の兄貴の
脅迫とも取れる・・・
身も蓋もない作戦に・・・
怯んだまま・・・
一言も発する事すら
出来ない拓弥は・・・
先程の・・・
束の間の勢いも虚しく・・・
ソファーに
座った姿勢のまま・・・
なんと・・・
腰が抜けてしまい・・・
更には・・・
口をあんぐり
開けたまま・・・
呆然と・・・
兄弟二人の顔を・・・
交互に見比べていた・・・。