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『幼なじみ』

第29章  談合



すると・・・


そんな拓弥を
心配そうに見つめていた
春斗が・・・


優しく・・・
子供を宥めるかのように
静かに口を開く・・・。


「なぁ・・・拓弥・・・?


不安な気持ち・・・
スゲー分かるけど・・・


兄貴・・・
一度言い出したら・・・


絶対・・・自分の意見・・・
貫く人だし・・・


もう・・・
こうなったら・・・


兄貴の言う通り・・・
ヤるしかないよ・・・。


多分・・・梨香も・・・
その喜多見さん主催の
パーティーに・・・
顔出すだろうし・・・


梨香には俺から・・・


拓弥のサポート
してくれるように・・・
何とか・・・
頼んでみるしさ・・・


それに・・・
もちろん俺も・・・


兄貴と一緒に
外で待機するし・・・


もし・・・
ヤバくなったら・・・


拓弥のコト・・・
必ず迎えに行くから・・・。




なぁ・・・拓弥・・・



もう・・・後戻りは・・・


出来ないんだよ・・・。」



段々と・・・
伏し目がちになりながら・・・


仕方なく・・・
腹をくくった様子の
春斗を・・・


しっかりと
見つめながらも・・・


未だ・・・
現実逃避から
抜けられない拓弥は・・・


半分は上の空で・・・
春斗の話を・・・
聞き流してしまったが・・・


「オイッ!ゴラァッ!!


いつまで人を
待たせんだッ・・・?!
ァアン・・・?」


という・・・
突然の雷鳴のような・・・
春斗の兄貴の罵声に
ハッとし・・・


漸く・・・我に返ると・・・


否が応にも・・・
地獄のような現実に・・・


段々と・・・
引き戻されて行った・・・。














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